思い出した、恋心

スザ→♀ルル　現代パラレル（ラベンダーの恋とは別物です）

机の引き出しの奥にずっとしまってあったケシゴムをなんとなく手にしてみる。
ふと思い出すのは、数年前、隣の席に座っていた紫電の色で。
ずっと隣に座っていたのに結局片手で数えられるほどしか話すことことができなくて。
ただ、見つめているだけだった。
そんな時、彼女に借りた、一つのケシゴム。
返そう、返そうと思っているうちに彼女はどこか遠くへ引っ越した。
もう顔なんてほとんど覚えてないけれど。
多分、俺は彼女が好きだったのだろうな、と当時を懐かしく思いながら何気なくカバーを外してみる。
そこには少し消えかけた『枢木スザク』と言う文字が。

あぁ、どうしよう。
今までずっと忘れていたけれど。
途端に思い出す。
彼女の不器用な笑顔を。
彼女への、想いを。
もう何処にいるかわからないけれど。


なんだか無性に、君に、会いたい。