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22話派生  ユーフェミア+ルルーシュ 死にネタ







流れ弾が己の身体を貫くことがわかる。
不思議とあまり痛みは感じなくて。
それでも溢れ出して止まらない血にくらりと後方へ身体が倒れてしまいそうになる。
翳む視界に捕らえたのは漆黒を身に纏う大好きな人だった。


「ユフィ!」


倒れる寸前暖かな何かに包まれた気がした。





泣かないで、ずっと笑って、大好きだから






「おい、ユフィ!大丈夫か!ユーフェミア…!」


頬を叩かれる感覚と、己の名を呼ぶ声に瞳を開けば、今にも泣き出しそうなルルーシュの顔が目に入る。
物陰なのだろうか。
いつもは仮面で覆われている彼の顔が惜しげもなく出されていて。
仮面を外して素顔をさらしてくれる彼にこんな状況にもかかわらず、嬉しく思う自分がいる。
そんな彼ににこりと微笑みかければ、自分よりも深い菫の瞳から大粒の涙が降ってきた。
ああ、泣いて欲しいわけなんかじゃないのに。
血の気を失って重たくなっている手を上げて次から次へと溢れ出る涙を拭っていく。


「駄目よ、ルルー、シュ。自分を責めちゃ、駄目よ。この…騒動を、起してしまったのは、私、だ…もの」


荒い呼吸の合間をもってどうにか言葉を繋ぐ。
それでも彼の瞳から溢れるものは止まらずに、くしゃりとさらに彼は顔を歪めてしまう。


「それは…っ、俺が…!」
「ううん、私が、いけないの、罰…だったのかも、しれないわ。ナナリーの、ためだとか言って、行政特区を…宣言して。貴方も、ナナリーも、きっとお互いがいればよかったのに。もう一度、あの頃に戻りたかった、私の、私自身の我侭だった、のよっ」


唐突に吐き気が込み上げてくる。
口の中に鉄の味が広がった。
彼の漆黒の衣装にかかる赤黒い色見て、自分が血を吐き出したことを認識する。


「もうっ、しゃべるな…っ」
「あぁ、もうほら、泣かないでルルーシュ。昔から貴方は、泣き虫ね」
「うる…さいぞっ」
「ふふっ、…少しでも、私のことを想ってくれるなら、泣かないで。笑って、名前を呼んで、あな、たの、笑顔が見た…いの、ルルー…、シュ」


目が翳む。
息も途切れ途切れになってきて。
最後の方はもう自分でもうまく言葉に出来たかわからない。
己の限界が近いのだと、遠退きそうになる意識の中で思う。


「ユー、フェミア、ユーフェミア!…ユフィッ」


自分の名を呼び微笑む彼は、今まで見た誰よりも、どんなものよりも美しくて。
忘れられなかった、貴方の笑顔。
ずっと、ずっとこの笑顔に助けられていた。
貴方がいたから私は頑張れた。


「ありがと…う、大好きよ、ルルーシュ。大好きだったの。ずっと、これからも、ずっとずーっと大好き、だか…らっ、…わらって、ね」




美しい人、愛しい人、貴方の幸せを祈っています。
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