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*『ラベンダーの恋』の続きです*

・ラベンダーの恋から一年後で二人は二年生です。
・スザクが生徒会に入りました。掛け持ちです。
・俺スザクと♀ルル
・会えば口喧嘩。仲良いのか悪いのかよくわからない二人。


以上を踏まえた上で大丈夫だって人は下からどうぞ。










「…ねてる」


珍しいと思う。
生徒会室に彼が来ているのも、彼しかいないことも。
朝練で疲れているのか、眠っている彼を起こさないようそっと近づくが、一向に目を覚ます気配がない。
…人の気配には鋭いんじゃなかったのか。
そっと顔を覗き込む。
備え付けのソファに寝転ぶ彼の特徴ある翡翠は閉じられていて今は見えない。
残念だな、と思うと同時に、珍しいその姿を見れたことに嬉しさも感じる。
じっと彼を見つめていると、四方にとんだ甘栗色のふわふわした髪が目についた。
半ば衝動で手を伸ばす。

(…柔らかい)

次の瞬間、何か強い力で引っ張られるのを感じた。


「…何してんの?」


急にかけられた声と覗いた翡翠に驚き、咄嗟に身を引くが、掴まれている腕のせいで彼から離れることができない。
触れたところが、熱くなる。


「く…枢木、起きてたのか」
「ん…今起きた。何、お前一人?…ランペルージ?」


急なことで焦ってしまい、返答できない自分を不思議に思ったのか端整な顔が覗きこんでくる。

(近い…っ)


「おい、ランペルージ、どうした?熱でもあるのか?」


そう言って額に当てられる彼の手の大きさに、体温に、目眩を起こしそうになる。
一気に顔が朱くなるのがわかった。
そんな自分の様子に眉を寄せる彼の姿が目に映る。


「…ちょっと、熱くないか?会長達は…いないみたいだな」
「う…ん、さ、サボリかもな」
「またかよ!あー、どうする?保健室、いくか?」


少し心配気な視線を向ける彼に大丈夫だと答えると、眉を寄せながらも彼は頷いた。


「まぁ、でもお前、そのソファーで休んでおけよ。書類は俺がやっておくから」
「は?え、いいって。私もやるから」
「いいから。風邪っぴきは黙って休んでろ」


有無を言わさない口調で言うと、無理やりソファーに座らされる。
調子悪くなったら言えよ、とぶっきらぼうに言いながら彼は机に向かい、書類を片付け始めた。

(…なんだ、馬鹿、)

ぼすっと近くにあったクッションに顔を埋める。
そんな、優しくなんかしないでほしい。
だって。
もっと…もっと好きになってしまう。
もっと知りたいと思ってしまう。
望んでしまう。

私を、好きになってほしい、と。
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